今宵、君の翼で
「美羽、私でよかったら話して? 一人で抱え込まないでよ」
陽菜の言葉が嬉しくて、ますます涙が止まらなくなった。
ありがとう陽菜……
私は今までの事を話した。
翼とのことも、シホ先輩とのことも。
陽菜は黙って聞いててくれた。
それだけでも気持ちがすぅっと軽くなっていく気がするよ。
陽菜の存在がこんなに大きかったなんて。
もっと早く話しとけばよかった。
翼と付き合った時も、すぐに伝えれば良かった。
陽菜に話しながら、頭の片隅でそんな事を思っていた。
「そっか……うん、かなりびっくりだね……」
大きなため息をひとつついて、私の方を見た。
「でも、このままじゃ絶対にダメだよ。四条さんがちゃんと動いてくれてるかわかんないけど……今翼をひとりにさせちゃいけないような気がする」
「陽菜……」