今宵、君の翼で


「やっぱり……もう一度翼に聞いてみる! ちょっと行ってくるね!?」


いても立ってもいられなくて、私はブレザーを羽織り、ベッドから降りた。



「え! 翼の先輩んちに行くの!? 危ないから私もいくよ!」


「ううん、大丈夫。陽菜は待ってて? あとで連絡するから」



心配そうな顔をしていた陽菜を置いて、私は保健室を出た。


翼の口から本当の事を聞きたいし、苦しんでいるなら私に打ち明けてほしい。


罪を一緒に背負う覚悟はできている。



先生に見つからないように外へ出た。

一場先輩のマンションか、職場にいるかもしれない。



電車を乗り継いで、一場先輩のマンション近くまでやってきた。


何度も翼に電話したけど、やっぱり出てくれない。


また部屋まで行かなきゃダメか……



マンションの中へ入ろうとした時、数人の男たちに囲まれた。


「え!?」







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