今宵、君の翼で
「ありがとう……ありがとうございます! 四条さん!」
『いや……別に。俺も翼のこと助けてやりてーとは前から思ってたしな……だから早く真犯人見つけねぇとな』
「はい!」
翼は濡れ衣を着せられているだけだ!
お父さんが持っている証拠も、きっと人違いのはず!
私は嬉しくなって翼に電話したが、やっぱり繋がらなかった。
今、どこで何をしてるの……?
翼、会って抱きしめたいよ。
その後、学校に戻って陽菜にも話したら大喜びで抱きつかれた。
だけど……真実はまだ闇の中に隠されているという事を、私はこの時まだ知らなかった。
お兄ちゃん、ごめんね……
お兄ちゃんはずっと私に伝えたかったのに。
気づかなくてごめんね。