今宵、君の翼で
『美羽……なんでそんなに俺の事信じられんの?』
「翼が……私の事信じてくれていたからだよ」
『は?』
「援交を辞めたって言った時も、私の事を必要以上に詮索しないで、ずっと信じてくれていた……それがすごく嬉しくて」
『……』
「だから私も、翼は絶対ひき逃げするような人じゃないって信じてたよ」
『美羽……ありがとな。本当に……』
翼の声が、少しかすれているみたい。
もしかして泣いているのかな……
『今日会える? お前に色々話したい事がある。仕事早く終わらせて迎えに行くから』
「うんうん! 会えるよ! 待ってる!」
『わかった。じゃあまた連絡する』
翼に会える……
この場で飛び跳ねたいくらい嬉しくて、どうにかなってしまいそうだった。