今宵、君の翼で
「う、うーん」
そんなこと言われたら、翼に告られたことを相談できるわけもなく。
『もっと大人っぽい服の方が好みだったのかな!? 服家から持ってきてないしなー。稼いで服買わなきゃー! ねぇ美羽、今夜も援交付き合ってよ!?』
「えー、昨日ほとんど寝てないから今日は寝たかったんだけど」
『まじかぁ~。美羽がいると美人だから収穫率も上がるのになぁ』
「ごめんっ」
『りょうかーい。今夜はひとりで頑張ってくるよ』
陽菜は一晩で5人くらい相手をするらしい。
金額が少ないからそうしないと稼げないって言ってたけど……
私は無理だな。ひとりでもいっぱいいっぱい。
本当はあんなこと、嫌で嫌でたまらない。
吐き気がするのを必死で抑えている。
でも私にはこんな方法しかないから。
まともに生きるなんて無理だし。
陽菜との電話を切ると、布団にパタンと横たわった。