今宵、君の翼で
『翼くんと共に幸せになりなさいね。美羽の幸せはお母さんの幸せだから。この先色々なことがあるかもしれないけど…周りに惑わされず、後悔しないように生きなさい。お母さん、ずっと美羽のそばで見守ってるからね…大好きだよ、美羽』
動画は最後、母の笑顔で締めくくられた。
私は涙で顔がボロボロだった。
お母さんが翼のことを認めてくれた。
ありがとう。
お母さん、ありがとう。
親不孝もので、色々と至らない娘だったけど…
私の幸せがお母さんの幸せなんだよね…?
それなら私は絶対に幸せになってみせる。
翼と一緒に。
動画が終わった後、翼がゆっくりと私を抱きしめた。
「ありがとう…翼。お母さんと、会ってくれて本当にありがとう…」
「うん…美羽の母ちゃんのためにも、絶対幸せにする」
私は翼の胸の中で頷いた。
「でも…それにはまず俺がしっかりケジメつけなきゃなんねぇ。じゃないと美羽を幸せにできねぇし、俺が幸せになる資格なんてない。美羽にはまた辛い思いさせるかもしんない…それでも、ついてきてくれるか?」