今宵、君の翼で


数か月後、私は高校3年生になり、毎日バイトや勉強に明け暮れていた。


バイトはコンビニで地道に稼ぎ、今までサボってた分を取り戻したくて毎晩勉強もしていた。


父が逮捕されたからって、学校のみんなの私への態度は変わらなくてほっとした。


それは、いつもそばに陽菜がいてくれたおかげもあると思う。

あの時保健室で陽菜と話せてよかった…

陽菜も、今は簿記の資格を取るために頑張っている。

1年前、援助交際してお金を稼いで遊んでいたのが嘘みたい。



ただ…

ずっと気になっていることがある。




シホ先輩のこと。


私は、シホ先輩のアパートを出てから1度も会っていない。


四条さんとのこと、誤解されたまま…


陽菜が心配してシホ先輩に連絡してくれた。



「会ってくれるってよ」


そう言われた時は本当に嬉しかった。


本当は、顔もみたくないって言われると思っていたから。



< 194 / 230 >

この作品をシェア

pagetop