今宵、君の翼で
隠し事
すごい数のバイクが凄まじい音を鳴らしながら集まってくる。
ヘッドライトが眩しすぎて、私は目を細めていた。
暴走族の集会とやらに初めて参加したけど、こんなに人がいるとは思わなかった。
「陽菜、あとから来るんだって?」
「そうみたいです。用事があるって言ってました」
隣に座っていたシホ先輩が、フーッとタバコを吹かす。
翼と付き合ってるってこと、陽菜にはまだ言えずにいた。
いずれバレてしまうことだから、早く言わなきゃとは思ってるんだけど……なかなか言い出せずにいる。
シホ先輩には言っといたほうがいいよね。
「あの……シホ先輩……」
「翼の女になったんだって?」
「え!?なんでそれ……」
「昨日翼に聞いたんだ」
翼、シホ先輩に言ったんだ。ちょっと恥ずかしくなる。
「まさか美羽と翼が付き合うなんてねー」
「私もびっくりしてます……」