今宵、君の翼で
芽衣子さんはシホ先輩と話し終えると、また翼たちのところへ行ってしまった。
後姿も凛としててかっこいい。
私もこんな人になりたいな……
「芽衣子のことが気になる?」
芽衣子さんの後ろ姿を眺めていると、シホ先輩にそう言われた。
「芽衣子は情に厚い女だよ。自分も過去に色々あったからね。レディースなんてやって怖そうに見えるかもしんないけど、すごい優しい女だよ」
シホ先輩の言ってることが頷ける。
笑ったときの瞳が優しかったから。
少し翼に似ているような……
だから怖いというよりも、憧れの方が大きくなったんだ。
「私、眠くなってきたから先に帰ります」
後ろで陽菜が伏し目がちにそう言った。
「あ、じゃあ私も帰るよ。美羽は翼がいるから大丈夫だよね?」
「はい……」
シホ先輩は陽菜の肩を抱いてその場を去っていった。
シホ先輩にも気を使わせちゃったなぁ。
私がもっと早く陽菜に付き合ってるってこと言っておけば、こんなことにならなかったのに。