今宵、君の翼で

学校が終わり、18時すぎにアパートに着くと、翼がドアの前で座っていた。


「おっせーよ」


「ごめんっ委員会の集まりがあって……」


「ブッ。ふりょおのくせにそーゆうのは出んだ?」


「不良じゃありませんっ!」


翼は特攻服ではなく、仕事着だった。

特攻服じゃないと、ほんと普通のかっこいい男の子なんだけどな……

鍵を開けて部屋に入るなり、後ろから抱きしめられた。


「翼!?」

「ちょっと充電させてよ」

ぎゅーっと抱きしめられると、身も心も満たされていく。


抱きしめられたまま部屋に入り、私たちは敷いてあった布団に倒れこんだ。


「翼……シホ先輩帰ってくるし……」

「別に変なことしねぇよ。ただくっついていたいだけ」


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