今宵、君の翼で
コンビニで色々お菓子を買ってシホ先輩の家に帰ると、玄関はほとんど男の靴だらけだった。
全部で5、6人くらいはいるかな。ちょっと緊張してしまう。
玄関でササッと髪を整えた。
「あっ、おかえりー!」
部屋に入るとシホ先輩が笑顔でビールを飲んでいた。
私と陽菜のことを可愛がってくれてるシホ先輩。
だけど、援助交際のことは言えなかった。
「おっ! かわいーじゃーん」
「シホの後輩ちゃんたち!?」
部屋には若いヤンキーっぽい男たちが何人かいた。
ヤンキー好きの陽菜は満開の笑顔で挨拶している。
私もペコッと頭を下げた。
「2人とも座りなよ。ビールあるよぉ?」
シホ先輩が私たちを座らせて、袋からビールや酎ハイを出して渡してきた。
「ありがとうございます……あの、みんなシホ先輩の友達なんですか?」
「うん、だいたい同中かな〜大輝(だいき)と翼(つばさ)は2人とタメだったよねー?」
シホ先輩が指をさした先にいたのは、坊主頭で剃り込みを入れている大輝って子と、出窓に座っていたベージュ色に近い金髪の翼って子だった。