今宵、君の翼で
「ジントニックでいい?」
「あ……うん、ありがとー」
「美羽ちゃんだっけ?」
「うん。美羽でいーよ。うちらタメでしょ?」
「おう、そーだなっ」
大輝は怖そうな外見とは裏腹に、優しい笑顔を見せた。
「美羽ってかわいーよね」
「え!?」
急にそんなこと言うからお酒をこぼしてしまった。
「なに言ってんの!? ビックリしたしー」
「ハハッわりぃ! でもマジだから! レベル高いよね。カレシとかいんの?」
「今はいないけど……」
「マジか! 俺狙ってもいいー? 美羽が最初に部屋に入ってきた時から気になってたんだよね」
大輝がそう言っている後ろで、陽菜が翼の頬にキスしてるのが見えた。