今宵、君の翼で


インターフォンを鳴らすと中から男の人が顔を出した。


「よぉー翼」


あ……この人集会の時見たことある。


いつも無気力な感じで、気だるそうに座ってる人だ。


でも翼の隣にいても、引けを取らないくらいのイケメンだったから女の子の間では人気があった。


「四条さーん、例のもの!」


四条って名前だったんだ。


翼が四条さんに渡したのは、ゲームではなく……



破廉恥な表紙のエロDVDだった。



「えっ!? ちょっと! ゲームじゃないの!?」


私の言葉に目が点の2人。


な、なに? 私変なこと言った!?



「つーか……女いたの気づかんかった」


「マジすか! 四条さんどんかーん」


いやいや、そんなのどうでもいいから。


翼は困惑してる私の肩を抱いた。


「俺らの中ではコレもゲームのひとつなのよね?」


「げ、ゲーム!?」


「そ。これなら浮気には入らないっしょ?」


そんな爽やかな笑顔で言われたら……なにも言えないじゃん!

確かに生身の女を抱かれるのは嫌だけど、これもあまり……

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