今宵、君の翼で
言い訳しても無駄だと思った。
「ごめんなさい……」
「私に謝んないでよ……」
陽菜に続いてシホ先輩も傷つけてしまったんだ。
私ってなんでこうなんだろう。
こんな自分が嫌だ。
しばらく沈黙が続いた後、シホ先輩はため息をついた。
「翼と悠一郎で悩んでんなら、私はもうこれ以上美羽の相談相手にはなれない」
「えっ!?」
「一緒に住むとかもう無理だし……家出てってくんないかなぁ?」
「シホ先輩!?」
シホ先輩は本気で怒ってる。
翼と四条さんを両天秤にかけてると思ってるみたい。
そう思われても仕方ないことをしてしまったんだ。
何を言っても言い訳にしか聞こえないよね……
「わかりました……」
「明日荷物まとめて出てってくれる?」
私のことを見ようともしてくれない。
完全に嫌われたんだ……
シホ先輩は芽衣子さんに私の事を色々聞いたはず。
それでも私を信じて温かく見守っててくれていたのに。
胸がジクジク痛み出す。