Heaven~第ニ章~
バイトを終えファミレスまで走った。

学に似た面影が待つファミレスまで走った。


ファミレスに入ると一番奥の目立たない席に彼は座っていた。
彼に近づき「健君」と彼に声をかけると、窓の外に向いていた彼の瞳が私に向けられた。


「椿さん」


その瞳に、その声に学が重なる。
もう居ない学に重なる。


「何か注文しますか?」


そう言う彼の前には水しかなかった。


「健君は?」

「あっ、椿さんが来てから注文しようと思って」

「気にしないで何か頼べば良かったのに、」

「いえ、」

「ごめんね。何にする?」


彼にメニューを見せ、彼はアイスコーヒーを私はミルクティーを注文した。


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