Heaven~第ニ章~
学は私の誕生日知ってたんだ。
一人で迎えた誕生日を本当は学は一緒に祝ってくれるつもりで居てくれていたんだ。


堕天使を抜けても私と一緒に居ることを選んでくれていたんだ。


口元を手で隠し、漏れそうな言葉を抑えていた。


「兄は椿さんのこと大切な人だと言っていました」


それは蓮沼から聞いた言葉と同じ。


「うちの両親は僕が小学生の時に離婚しました。その少し前から僕は学校に行かなくなったんですけど……兄が、それまで家になんてより付かなかった兄がそれからは毎日帰って来て、僕と朝ご飯と夕飯は一緒に食べてくれるようになったんです。あっこんな話、椿さんにしても……」

「私も聞きたいから、話して欲しいな」


私も知らない学を知りたい。
私に出会う前の学が、何を思い生きて来たか。


「はい」


そして彼は教えてくれた。


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