Heaven~第ニ章~
この店で働き始めて半年。
それは学の四十九日から半年過ぎていることを意味していた。

蓮沼の言葉は仕事に対してなのか、
それとも学が居なくなったことに対してなのか。

「深い意味はねーよ。キャバ嬢始めたって聞いたから顔見に来たんだよ」

「そっ、」

蓮沼と会うのはあの日以来。

「まだあそこに住んでんのか?」

「うん。行くとこないし。新しくアパート見つけるのも大変だしね」

「金は?」

「お金?もう、大変だよ。昼もバイトしてるしね」

蓮沼はそっか、とグラスを手にした。

「蓮沼は?」

「俺?」

「うん、その後どう?」

「相変わらずだよ。何も変わらねーよ」

友達でも何でもない蓮沼と、近況を報告しあうなんて少し笑える。

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