Heaven~第ニ章~
「じゃあ、俺は帰る」

「は?」

「何?一緒に帰りたかった?」

「違うわよ。ただ同じだって」

「嘘だよ。あぁ言わねーと健が一人で帰らねーだろう。健も帰ったの確認したし、」


そう言って雅近は来た道を一人で戻って行った。


そこまで用心する必要がまだ中学生の健君にある?
って言うか学の弟だよ。


学が居なくなってからの気持ちは私も分かる。
だからって、誰かを怨むなんておかしい。


きっとそれは私の主観。
健君の主観は違っていたんだ。
切なくて、悲しくて、
そのどうしようもない想いを誰かのせいにしないと、まだ中学生の健君は壊れてしまいそうだったんだと思う。


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