Heaven~第ニ章~
そんな健君の本当の気持ちに気付かず、
雅近の忠告を何処か曖昧に捉えていたなもしれない。


駅に着きマンションまで何時ものように歩いていると、急にグイッと力いっぱい後ろへ引っ張られた。
驚いて振り向くと、肩で息をしている健君が居た。


その姿にさっきまで曖昧に捉えていた雅近の話が現実味を帯びて来る。


「どうしたの健君?」

「いや、もう少し兄の話をしたいと思って、雅近君は?」

「え?あっ、帰ったよ」

「椿さん一人なんですか?」

「……一人だよ」

「そうですか、あっ、すみません」


健君は慌てて私の腕を話してくれた。


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