Heaven~第ニ章~
「俺を好きにならないことぐらい知ってる」


ギシッとベッドの端が沈む。
そして俺がゆっくり私に近付き頬に手を添えた。



「それなら、世界一嫌われようと思って」



添えられた手がバチンっと大きな音を立てた。


「中途半端に関わっても忘れられちゃうからさ。だったら忘れられないくらい関わって嫌われたら……」


視線が合うと「忘れられないでしょ?」と男が笑って私にまた手をあげた。


「……そんなことぐらいで、健君を巻き込んだの?」

「そうだよ。仕方ないじゃん。あいつは桐谷の弟なんだからさ」


男を睨むと「もっと嫌いになってよ」とブチブチっと着ていたシャツをむしり取った。


私の傷を見て「お揃いだね」と笑って自分も上着を脱ぎ私を押し倒し視線を合わせてくる。




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