Heaven~第ニ章~
「俺は別に良いんだけど、」


そう言って車の後部座席に視線を向けた。

後ろには何時も獅朗が乗っている。

何をするにも獅朗の了解を取らないと何も出来ないなんて面倒な世界。


「久辺も居るのか?」

「あぁ、中に居る」

「そっ、」


蓮沼は車に近付きコンコンと窓を叩くと、車の窓が開き獅朗が顔を出す。


「よっ、久辺」


そんな蓮沼なんて見えていないように、獅朗は私に視線を向け「椿、帰るぞ」と言ってくる。

「シカトかよ」

蓮沼はククッと喉を鳴らし「シカトすんなら、こっちも勝手にさせてもらうからな」とタバコを投げ捨てそれを踏み付けた。


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