Heaven～第ニ章～

｢行くぞ、椿｣

｢え？あっ、うん｣


私はチラッと獅朗を見てから蓮沼の背中を追った。




獅朗は何も言ってこない。
手は差し伸べるけど、それを握るか、握らないかまでは強要して来ない。

最後は私の気持ちを尊重してくれた。

獅朗が変わったのなら、
きっと私も変わった。

少しずつ変わって行く。
それを当たり前のように受け入れていた。

考えれば立ち止まってしまう。
立ち止まってしまえば、また同じことを繰り返してしまう。