Heaven~第ニ章~
「久しぶり」

「もうっ、何回も連絡したのに!」

「マジ。気がつかなかったよ」


そう言って女の腕をスルリとかわして「じゃあ、連れが一緒だから」と言ってまた歩き出す。


一番奥にあるカウンターまで何度かこんなやり取りがあった。


「ね、真澄。あのアホな女達は何?」

「アホな女って」


真澄は振り返り「確かにアホだけど」と笑って私に視線を戻す。


「一回寝たら勘違いすんだよ」


その言葉は真澄の本音?
さっきまで笑っていた瞳は
冷たく突き刺さるような孤独の瞳。


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