Heaven~第ニ章~
ボンヤリとしている視界の中、真澄の背中が小さくなって行く。


真澄のことを考えようとしていても
上手く頭が働かない。


何を考えたら良いのかさえ分からなくなっていた。



「一人でどうしたの?」



声の方へ視線を向けると、真澄が居なくなるのを見計らったのか、偶然なのか知らない男が立っていた。


「友達と……」


カウンターに視線を向けると、さっきまで死んでも良いと言っていた真澄が女の人と笑っていた。


その姿にやっぱり冗談だったんだとホッとした。


「友達もよろしくやってるみたいじゃん」と男が私の隣に座り「飲む?」とグラスを私に渡した。


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