Heaven~第ニ章~
バイクに乗ることに躊躇しないわけじゃない。
バイクは違っていても、
学を一瞬にして連れ去ってしまったモノには違いないんだから。


そんな私に気づいているのか、獅朗のお腹の前で組んでいる私の手に獅朗の手が添えられた。



「大丈夫だ」



獅朗の手の温もりが
私の恐怖心を優しく包み込む。


私は全てを獅朗に委ねるように、
獅朗の背中に顔を埋めた。


「行くぞ」


獅朗の手が離れバイクがゆっくりと走り出す。



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