Heaven~第ニ章~
声の主はスキンヘッドのガタイの良い男。



「獅朗が女連れなんて珍しいな」




どこかで聞いたようなセリフを口にする。
私に視線を向けニヤリと笑う。
その風貌に少なからず笑い返せるような気持ちにはなれなかった。


顔の右側には修羅が刻み込まれ、男が笑うとその修羅も歪んで見えた。



「ちょっと待ってろ」


そう言って男はカウンターの横にあるドアを開け、中から袋を持って来た。


「ほら、」


そう言って袋の中から取り出したものをカウンターの上に広げた。


その左腕には手首に向かうように蛇が刻まれ、
右腕には蓮の花が咲き、その中心には何かの文字が刻まれていた。


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