Heaven~第ニ章~
「出来上がりは一ヶ月後だな」

「おせぇな」

「文句言うなよ。こっちは仕事だってあんだぞ」

「仕事?」


二人の会話に割り込むように聞くと「掘り師が本職だよ」と自分の腕をまくり上げた。

少し見えていた蛇はもう一匹いた。
絡み合う二匹の蛇は、蓮沼の瞳を持たず絡み合う龍とダブって見えた。


なるほど。
まったく別物って訳じゃないんだ。


その掘り師はマサと呼ばれ、獅朗とは昔からの知り合いらしく、
特別に服のデザインも描いているらしい。


「じゃあ、帰るか」

「あ、うん」


私と獅朗が店から出ようとすると「獅朗が居なくてもまたおいで」と修羅を歪ませた。


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