Heaven~第ニ章~
「それより、行くぞ」


私より先に視線はミヤジから離れていた。


「行くって何買うの?」

「まぁ、色々だな」

「色々?時間かかるの?」

「椿次第だろう」

「私?次第って何?」

「椿が早く決めればすぐに終わる」

「私が決めるの?って言うかさ。分かるようにちゃんと教えてよ……」


こんな会話にウンザリしていると「着いた。この店だ」と立ち止まった店先。

ブランドに疎い私にでも分かるブランド名。
このブランドのバック一つ買うのに、私の何ヶ月の給料を注ぎ込めば良いのか……

さすが……
お坊ちゃま。

ガラスのショーウインドーに飾ってあるカバンを見てため息が出る。

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