Heaven~第ニ章~
それは群青色のドレス。

夜空が暗闇に飲まれてしまう前の色。

この色を選んだことに意味があるとは思わないけど、
それでも考えてしまう。


私の色なんじゃないかと……
あの街に……
暗闇に堕ちる前に私は学に救ってもらった……


獅朗と一緒に居るのに思い出すのは学のことばかり。
きっと、
獅朗に限らず今の私は誰と居ても学とこばかりだと思う。


「早く着替えて来い」


獅朗の言葉に背中を押されるように、ドレスを持って試着室へ入った。

手にした時は気づかなかったけど、下着を付けていると見えてしまいそうなくらいに背中は開いていて、体のラインもはっきり分かってしまうぐらいにタイトなものだった。


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