Heaven~第ニ章~
私も真澄につられて視線を向けると、
スーツやドレス姿の中に一際目立つ紋付袴姿の人物が目についた。
そこだけ異様な雰囲気。



「あっ、オヤジさん達と来てるんだ」

「ん、だから俺も声かけるの止めたんだよね」

「あれじゃ~気軽に俺達が声かけられねーよな」



"三条組の息子"



蓮沼からの情報がこんな所で役に立つとは思わなかった。

紋付袴姿の人の斜め後ろに嵐が居る。



「あれが嵐が生きて行く世界だ」



私の視線に気付いたように獅朗が口を開く、


「だから、そんな目で嵐を見るなよ」

「そんな目でって……」

「嵐は嵐だ」


力強い獅朗の言葉。


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