Heaven~第ニ章~
"嵐が生きて行く世界"


まだ高校生だと言うのに嵐の未来は決まっている。
それは嵐が望んだ世界なのだろうか。
不安定な未来が決まっていると言うことは、幸せなことなんだろうか。


人の考えはそれぞれ……――


私が違うと思っているから、嵐も同じとは限らない。


だからと言って嵐は嵐。
そこは獅朗と同感だった。


「ちょっと行ってくる」


獅朗の手を離し嵐の元へ向かった。


嵐は嵐。
何時も上から目線でムカついて、
あんなに人に頭を下げるような奴じゃない。


「嵐!」


私の声に驚いたのは嵐だけじゃない。


「どこのお嬢さんかな?」


丁寧な口調なのに、刺さるような瞳。


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