Heaven~第ニ章~
「似てますね」


思わずクスッと笑ってしまった。
笑った優しい雰囲気がとても似ていた。


「そうかな……」


獅朗の父親は嬉しそうに母親に笑いかけた。
獅朗の母親も嬉しそうに見つめ返している。


想像していた両親と違っていた。
勝手に獅朗も私と同じなんじゃないかと思い込んでいた。


私なんかとは全然違う。
血は繋がっていなくても、獅朗はこの両親に愛されている。


きっと獅朗も分かっている。
だから、自分の誕生パーティーを仮装パーティーなんてバカにしたように言っても、こうして足を運ぶんだと思った。


時間ギリギリまで話をしていた。
それは全部獅朗の話。


どんな小学生だったか、
どんな中学生だったか、


< 71 / 231 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop