Heaven~第ニ章~
「何やってんだよ。真澄と一緒に居ろって言ったろう」


私の隣に来て獅朗も会場に視線を向けた。


「つまんねーか?」

「つまんない。獅朗は?」

「つまんねーな」


淋しそうに口角を上げた。


「帰ろう」

「あ?」

「もう良いんでしょ?」

「まぁ、な」

「じゃあ、帰ろうよ」


獅朗にこんな世界は似合わない。

獅朗が言う自分達の場所へ帰ろう。

単純じゃなくても良いから……――


「そうだな、帰るか」


獅朗の言葉にホッとした。


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