Heaven~第ニ章~
「私がそれを知ってどうするの?」

「それは椿次第」

「また、私次第なの」

「そう言うことだな」

「何、それ……あっ!」


私は思い出したように獅朗に向き合った。







「誕生日、おめでとう」







別に獅朗を好きになった訳じゃない。
別に獅朗に同情した訳じゃない。

単純に行かない世界に戻る前に、 
単純に獅朗におめでとうを言いたかった。

単純にそれだけ……――


獅朗は一瞬驚いた顔をしたけど「あぁ……ありがとう」と笑ってくれた。 

獅朗は学の一つ年下だった。
これで学と同じ年になってしまった。

私も後何年かすれば、学の年を追い越してしまう。



"永遠の18才"なんて安い映画のサブタイトルみたいで笑えない。


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