Heaven~第ニ章~
「酒って飲めねーんだっけ?」

「少しなら大丈夫」

「酒かコーヒーぐらいしかねーや」


冷蔵庫から缶ビールを取りだし、冷蔵庫の隣にある棚からお菓子を持って来た。


「何で端に座ってんだよ」
 

クスッと獅朗が笑って、私に缶ビールを渡した。


「ありがとう。だって適当にって言ったからさ。広過ぎて端が落ち着く」

「落ち着かねーか?」

「大丈夫」


確かに少し落ち着かない。
けどそれは、部屋が広いからじゃなく密室に獅朗と二人きりだから。

私を好きだと言う男と二人きりなんて、落ち着かなくて当たり前だと思う。
ましてその相手が獅朗なんだから……


「改めて」と缶ビールを開けた。
そして、獅朗が持っている缶ビールに自分ねか缶ビールをカチンと合わせ



「誕生日おめでとう」


そう言って飲みなれない缶ビールを口にした。


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