Heaven~第ニ章~
「同情する訳ないじゃん。何で同情?あんた不幸なの?あんなに良い両親が居て……」
 

同情するはずないじゃん。
ちゃんと愛してくれている両親が居る。
ちゃんと祝ってくれる仲間が居る。


ちょっとだけ窮屈な世界だとは思ったけど、それを差し引いたって同情するはずがない。


「獅朗が私の好きにして良いって言ったんじゃん」

「……そうだったな」

「だから、好きにしてるだけ。何か文句ある?」

「いや、ねーよ」


獅朗は笑いながら私の隣に座った。

少しだけ沈んだソファー。
少しだけ感じる獅朗の気配。

誰かと過ごす夜は久しぶり。
学が居なくなって始めてだった。


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