Heaven~第ニ章~
「どうしたの、これ」

「朝食まだでしょ?食べて良いよ」

「真澄が買ってきたの?」

「まさか、貰ったんだよ。俺がそんなパンごときに列ぶはずないじゃん」

「パンごときにって、このお店美味しくて人気のパン屋さんじゃん」

「見たいだね。俺、朝は食べない主義だからさ」

「いや……でも、真澄に食べて欲しくてこれくれた人は列んだんでしょ?」

「大丈夫。それ母親からだから」

「お母さん?じゃあ、余計貰えない」


「意外に律儀だね」と真澄がクスッと笑ってから「母親がくれたからって、列んだのが母親とは限らないよ。要領良いんだよ。俺の母親はね」


どこか棘のある言い方。
きっとそれは私が真澄のことを何も知らないから。


「椿が貰わねーなら俺が貰う」


私から紙袋を取り上げ幸二が「ラッキー」と喜んでいる。



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