Heaven~第ニ章~
「ありがとう」とバイクを降り獅朗にヘルメットを返した。
「椿、」
「何?」
「昨日は、ありがとうな」
「お礼言われるようなことしてないよ」
「一緒に居てくれただけで十分だ」
「安い男」
私が笑うと「そうだな……」と獅朗も笑った。
本当は嘘。
私も獅朗と同じことを望んでいたから。
一人で迎えた17才。
学が一緒に居てくれたなら……
叶わない願いを私は望んでいた。
「じゃね」
私は獅朗に背中を向けてマンションへ入って行った。
「椿、」
「何?」
「昨日は、ありがとうな」
「お礼言われるようなことしてないよ」
「一緒に居てくれただけで十分だ」
「安い男」
私が笑うと「そうだな……」と獅朗も笑った。
本当は嘘。
私も獅朗と同じことを望んでいたから。
一人で迎えた17才。
学が一緒に居てくれたなら……
叶わない願いを私は望んでいた。
「じゃね」
私は獅朗に背中を向けてマンションへ入って行った。