リターンエース。
もうまとめらんない。後輩なんていらない。

そうおもっていたとき、彼が助けてくれた。

部活紹介の準備。あと1日欲しい、ってとこでまだ終わらなかったから、部員が持って帰る、ってなった。

そのブツは、偶然私が持っていた。
後輩たちはもう駐輪場に向かい、帰ろうとしていた。

イメージどおりに行かなくても嫌だし、どうせこいつらやんないし、また自分でやってこよう。

そう思っていた頃。

「お前はいつも、一人でなんでもしようとする。誰かにやらせたらいいやん。」

「東條先生…。」

東條棗、彼の一言で顔を上げた。
彼が職員室に入るまで、その背中を見ていた。
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