先生に、あげる。

病気



僕らが入ったのは、いつものカフェ。

僕と、咲織が出会った場所。


「あの、山下さん。」


カフェにつくなり、広瀬さんは話し出した。

僕はコーヒーを二つ注文してから、彼女に向き直る。


「はい。」

「あの、どこから、話したらいいか。」


彼女は、悩んだ顔つきで、こめかみのところを抑えた。

少し強めの顔つきが、不安と悲しみに覆われた。
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