先生に、あげる。


病室に戻ると、咲織はいつものように静かに横になっていた。


ベッドの横の椅子に座ると同時に咲織が目を開ける。

咲織も僕も何も言わなかった。


その沈黙で、お互いが、咲織の余命の事を知ってるんだと、わかった。


しばらくの沈黙。


色々と考えて僕は、立ち上がった。
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