先生に、あげる。





僕が自分の恋心に気づいたのは、出会ってから一年と少し経った頃だった。



十一月も終わりに近づき、一段と寒くなってきた夜のこと。


授業が終わった僕は、いつも通り静かに、講堂を出た。




「先生!」


講堂の前には咲織がいた。
< 13 / 149 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop