先生に、あげる。


遠くで電車の音が聞こえる。




僕は、目を閉じた。





電車が咲織のいる方から僕の方へと走る。



僕は思い切り息を吸い込んだ。

そしてー。




「ーーーーーーー。」




咲織の声は、電車の音で聞こえなかった。



でも

確実にわかった。
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