先生に、あげる。



なぜかわからない。


僕は急にその姿がとても愛しく見え、守らなければ、抱きしめなければという、ただそれだけの気持ちで、咲織の方へと走った。



二十メートル、十メートルと、咲織と僕との距離が縮んでいく。



やっとの事で咲織を抱きしめると、彼女は僕の胸の中で震えていた。
< 23 / 149 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop