先生に、あげる。


いつも通り、本を読み始めて三十分くらい経ってから、咲織が現れる。


弾んだ息使いから僕を待たせまいと、急いで来たことが伺える。


「先生!おまたせ!」


僕は、今来たところだよと笑って、立ち上がった。


これだっていつも通りだった。
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