先生に、あげる。


しかし駅の周辺で僕の知ってる店は予約が取れない。

そんなこんなで、時間は過ぎ、時計の針はもうじき、十時半になろうとしていた。



咲織を食事にさえ連れて行かれない自分を、情けなく思った。

咲織はそれを悟って、この辺、いいお店少ないもんねと言って笑ってくれた。



「ごめん。」


僕が言うと、彼女は笑った。


「なんで、謝るんですか?私は先生といるだけで幸せよ?」
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