先生に、あげる。




僕は顔を上げた。



彼女の目からは大粒の涙が溢れ出している。


僕は海の方へ体を向けると、話を続けた。



「初めて会った時から、思ってた。
君は、僕なんかといるより、きっと幸せになる方法がたくさんある。

僕達、付き合ってから、もうじき二ヶ月経つだろう?
なのに僕は、君に何もしてやれてない。

今日だって、君を食事にさえ連れて行かれなかった。」



話していると、止まらなくなった。
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