先生に、あげる。



「その、先生っていうのは、どうなの?」


すると、彼女は真面目な顔に戻る。

まるで子犬のように表情がコロコロと変わるな。



「決まってるじゃないですか。
先生、教育学部に通ってるから。」



僕はため息をついて、とてもユニークなニックネームだねと、笑った。

別に嫌なわけではないし。



「じゃ、私、行きますね。
そろそろ授業始まるから。」



彼女はスッと立ち上がった。



「明日も来ますからねっ。」


そういって、走って行ってしまった。
< 9 / 149 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop