殺人鬼と私

 「ミラベルさん、お腹空いてません?」

 
 「少し」


 ロムスがにこっと笑うと地下街を歩きはじめる。ロムスはよくこの地下街を知っているみたい。ここで生まれたり…育ったり…したのかな。


 「いい酒場があるんですよ。迷わないようについてきてくださいね」


 「酒場…?」


 この国での酒場は社交場のようなもの。忘れかけていたけど殺人鬼のロムスが社交場に行くなんて…考えられない。


 
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