殺人鬼と私


 「姉弟といっても腹違いのね。だからほら、全然似てないでしょう?」


 リーラさんがロムスの肩をバシバシ叩きながら言う。ロムスの言うあの人ってもしかしてリーラさんなのかな。ロムスじゃあ刺せなさそう。


 「あ、そういえばロムス。あなたこれからどうするのよ?まだ理想の赤を探す旅を続けるの?」


 「赤はもう見つけたんです。ミラベルさんの目の色が僕の理想の赤なんです」


 「この子の目の色……たしかに綺麗な赤ね」

  
 リーラさんが私を見てうっとりとした。遺伝なのか姉弟どちらもこの目の色が好きみたい。……私は好きじゃないのに。ロムスみたいな薄い水色の方がずっと綺麗なのに。


 「じゃあ……尚更。これからどうするの?」


 それは私も聞いておきたかった。
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